ラッキングとは

ラッキングとは

「ラッキング」とは、配管板金工事のことで、配管に薄板鋼板（ステンレス・アルミ・ガルバリウム鋼板・カラー鋼板）などのラッキング材を配管やパイプの外装材として使用、巻き付けて保護することです。

ラッキング材の具体的な用途としては、以下の点が挙げられます。

保温・保冷効果

ラッキング材は、配管やパイプを保温・保冷するために使用されます。これにより、流体の温度を一定に保ち、エネルギー効率を向上させることができます。

安全対策

ラッキング材は、高温の配管やパイプからの熱放射を防ぐ役割を果たします。作業者や周囲の人々を保護するために使用されます。

外観の美観

ラッキング材は、配管やパイプの外観を美しく仕上げるためにも使用されます。色やデザインのバリエーションが豊富で、建物内外の配管に適した外装材となります。

防水・防湿

ラッキング材は、水分や湿気から配管やパイプを保護する役割も果たします。特に屋外や湿度の高い場所で使用されます。

ラッキング材は、さまざまな産業分野で広く活用されており、その用途は多岐にわたります。

住宅（マンションや戸建て）では水道管や給湯管などの各種配管、商業施設や学校などのエアコンの配管、工場などでは空調用ダクトやタンク、ボイラーなど機械室などに施工されます。

ラッキングの効果

ラッキングを施すことで、以下の2つの効果があります。

①配管や配管に巻き付けてある断熱材を保護し、劣化しにくくする効果。
②保温や冷却、防音効果など、配管自体の性能を保ったり、高めたりする効果。また、これによってコストダウンや省エネにも役立ちます。

ただし、ラッキングに使われる材料は主に金属であり、屋外などの暴風雨にさらされる場所では定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
長期的に使用していると、金属が錆び、腐食が起こる可能性があるため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。

ラッキングは配管板金工事において、保温に板金を取り付けて中と外を断熱する作業です。
この効果により、雨や風、太陽光による保温や配管の劣化を防ぎます。

ラッキングの形状

ラッキングカバーは薄い板金で作られ、主に以下の5つの形状があります。

1.ジャケット

直管部を覆うカバー

2.エルボカバー

曲がりの部分を覆うカバー
＊ワンタッチエルボというエルボカバーもあります。これは専用工具を使わずに取り付けられる便利なカバーです。

3.フランジカバー

フランジ接続部を覆うカバー

4.バルブカバー

弁体を覆うカバー

5.フレキカバー

フレキシブルホースなどを覆うカバー

その他ラッキング剤

Yストレーナー

Y型ストレーナー部に取付フランジカバーにヘソをつけた形、点検のための取り外しができます。

ボックスカバー

四角い箱型になります。

砲金バルブ

砲金バルブの取手のカバー。

キャップ

配管の最後に蓋をします。

陣笠プレート

壁などの配管貫通部の化粧カバーになります。

スリーパーカバー

配管の土台部分を隠します2枚1セット。ロールキクザなど配管とジャケットの隙間の化粧カバーです。

これらのカバーを使用することにより、さまざまな配管形状に適しており、施工が簡単で効果的です。

材質はガルバリウム鋼板やカラー鋼板よりステンレス鋼板は耐食性が高く、塩害などもにも強く、美しい外観を持つため、屋外の配管で景観を重視する場合に最適です。

ステンレス鋼板の価格は他の材料に比べて約3倍高いですが、その特性を考慮すると選択肢の一つとなります。

取り付け方法

ラッキング（配管板金工事）は、配管に保温・保冷工事を施した上から、さらに薄い金属を巻く工事です。以下はラッキングの施工手順です。

1. ①保温した配管の直管にサイズの合ったジャケットを取り付ける。
2. ②配管の長さに合わせてジャケットの本数を取り付ける。
3. ③最後はジャケットを金切り鋏で切り調整する。
4. ④曲がりのところにエルボを取り付ける。
5. ⑤シリコンで接続部分をコーキングする。

配管の途中にフランジや砲金バルブなどがついている場合は専用ラッキング材を取り付けて下さい。
ラッキングは定期的なメンテナンスが必要なので、注意してください。